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​カウンセリング

こころとからだの不調、不登校

心理カウンセリングでは、主にこころの問題を「言葉で語ること」によって解決しようとします。しかし、「心身相関」といって、こころの問題にはからだの不調を伴うこともよくあり、心理カウンセリングだけでは解決しない場合も多いものです。

 

当院で扱うことの多い不登校を例に述べてみます。

 

不登校の原因には様々なものがあり、はっきりした原因らしきものが見つからないこともよくあります。学校や家庭に問題がある場合もありますが、その背景に、自己肯定感や自己効力感の低下に基づく体調不良や成績不振が見られる場合や、起立性調節障害、過敏性腸症候群、アトピー性皮膚炎や喘息など、身体面での問題を抱えている場合もあります。

 そういった心身の問題を抱える相談に対しては、鍼灸やマッサージといったからだに対するアプローチと、心理カウンセリングを用いたこころに対するアプローチを併用することが有効です。

カウンセリングはなぜ「効く」のか。

​カウンセリングと傾聴

カウンセリングは効きます。では、どうして「効く」のでしょうか。平凡すぎる答えですが、一番の理由は、悩みは、人に話すと自然と楽になるものだからです。話したら楽になったという経験を持つ人は多いと思います。

 30分なり50分なり、自分の話したいだけことを話せる機会はそうそうありません。そういう機会をカウンセリングは与えてくれます。何にも批判されずに、うんうんと話を聞いてくれる(こういうのを「傾聴」といいます)カウンセラーを相手に、悩みを相談しているうちに、多くの人は、自分で解決法を見つけることができたり、悩みそのものが小さい見えてきます(そうなるように、カウンセラーは話を聞きます)。そうしたら、そのカウンセリングはそこで終結です。

 私は、クライアントの力をいつも信じてカウンセリングをおこなっています。今は、悩みや苦しみで進むべき道を見失っていても、きっと自分で立ち直る力をクライアントは持っている。そう信じて行う傾聴には、クライアントの混乱を沈め、立ち直る力を与える効果があります。

下記のコラムでは実際の相談内容を元に​ご説明しています。

当院のカウンセリングの特徴

 大学院で臨床心理学を学んだカウンセラーは、自分のバックボーンを必ず持っています。精神分析なら精神分析的見方、行動療法なら行動療法的見方で、クライアントを見立て、対話しています。

 当たり前ですが、カウンセリングは言葉によって行われます。親身に話を聞いてもらえれば、確かに気持ちは楽になると思います。しかし、丁寧に話を聴き答えてあげれば、カウンセリングは誰にでもできるかというと少し考えてしまいます。カウンセラーは、訓練を受けることで「効果的な言葉」の使い方を学んでいます。しかし、どういう言葉が「効果的な言葉」なのかは、カウンセリングの技法によって様々です。

 

 コラムの例でいえば、私ならば、「叱責された時どんな感じがしましたか」という質問をして、その場面をクライアントの心の中で再現させるかもしれません。そして、自分でも、同じような体験をした時の気持ちを思い出しながらクライアントのお話を聞きます。クライアントとカウンセラーの気持ちがうまく同調できれば、クライアントが小さかった時に感じた、「こわい」、「さびしい」、「くっつきたい」気持ちが再燃してきます。その気持ちを取り上げ、解釈し、直面化させることで成長を促すのが私が学んだカウンセリングの方法です。

精神分析的な考え方

 どこかで精神分析のお話はきちんとさせていただきますが、簡潔に表現すると、精神分析では、現在ある不安や症状は、自分では気づかない無意識から生じており、それに気付く(「洞察」といいます)と、不安や症状が消えるという考え方をします。その洞察を手助けするのがカウンセラーということになります。

 

 人格の変容(向上)を目指す精神分析は魅力的ですが、それには、長い時間とそれに伴って費用が掛かります。それ以上に、自分で自分の問題に気付き、その解決を模索するという精神分析の技法は、クライアントに大きな精神的負担を求めます。

 「自分を知ることでより良く生きたい」という希望があれば、精神分析的カウンセリングを行いますが、誰にでもそれを求めているわけではありません。「今これをやっておかないと後で後悔する」というタイミングは、クライアントにしかわかりません。でも、長い人生の中で、そういうタイミングは誰にでも訪れるものだという気がしています。

短期療法について

 当院では希望がなければ、短期療法に基づいてカウンセリングを行っています。精神分析と短期療法の最も大きな違いは、問題を解決するために、その人の過去を探らないところにあると思います。短期療法はこんな風に進みます。

 

 以前、顧問が変わったら、部活に身が入らなくなったという高校生と話したことがあります。話の内容から、一方的に理不尽ともいえる指導をする顧問の姿に、権威的な父親の姿が投影されていることを感じましたが、それをカウンセリングで取り上げることはしませんでした。その代わりに、いつも書いている部活ノートのほかに、「今日の顧問」ノートを作って顧問の嫌な言動を書いてもらい、それを毎回見せてもらうことにしました。

 はじめは乗り気で顧問の嫌なところを書いてきたものの、数回で、「めんどくさいからもういいです。そんなことより練習に集中したいです」ということで、カウンセリングも終了してしまいました。

 

 こういう面接を分析派の人は、浅い面接といって軽視する傾向がありますが、「部活に身が入らない」という問題自体は、数回の面接で解決しています。こういう、短期(通常5~6回)の面談で一定の効果が期待できる短期療法は、実用的で、内面に深入りしない良さがあると私は考えています。

カウンセラーの資格

資格について

2015年に公認心理師法が成立し、心理職においては国内で初めてとなる国家資格として「公認心理師」が誕生しました。しかし、法律の施行後も、「心理師」という名前を名乗らなければ、だれでも自由に、何ら資格なしにカウンセリングを行うことは今でもできます。人の相談に乗ってあげることは自由だからです。ただ、カウンセリングをうまく行うにはそれなりに勉強が必要であり、その勉強を修めたことを証明するのがいろいろな団体が発行する資格です。公認心理師以外の資格はすべてこれらの団体が発行する民間資格ということになります。

 

 カウンセラーの資格として最も有名なのは臨床心理士です。臨床心理士になるには、指定大学院を修了して試験に合格しなければならず、有資格者が一定の知識や経験を持っている証しにはなります。でも、この資格も民間資格です。

 

 私も大学院は、学校教育専攻臨床心理士養成コースというところで学び、大学院終了後は、日本カウンセリング学会認定カウンセラー、学校心理士という資格でカウンセリングを行ってきました。これらも民間資格です。それも今は失効してしまったので、何の資格もありません。しかし、経験値は、大学院の時よりだいぶ上がったと自負しています。

クライアントという呼び方

向き合い方と関係性

 カウンセリングでは一般に、相談にいらっしゃる方のことを「患者」や「患者様」、あるいは「来院者様」とは言わず、「クライアント」といいます。私も、そうお呼びさせていただきますが、それには二つの理由があります。

 一つは、相談にいらっしゃる方は、あくまで悩んでいる人であって、「病んでいる人」=「患者」ではないからです。医者は診断をし病名を付けますが、カウンセラーはあくまで悩みを抱えた一人の人として、その方に向き合います。

 もう一つは、「来院者様」のように、○○○様とお呼びすると、二人の関係は店主とお客様のような関係になります。これでは、一見クライアントのこと大事に考えているようで、実は二人の関係に上下関係を持ち込むことになります。

 カウンセラーとクライアントは、常に平等でありたいと考えています。悩みを聴き、ともに解決の方法を考えていきたい、そういう思いを「クライアント」という言葉に込めたいと思います。

​カウンセリングのご予約と流れ

メール、ライン、電話、または申込フォームでお申し込みください。

電話等でご連絡の場合、「カウンセリングを希望します」とお伝えください。

ご希望の日時と、こちらの空き状況を照らし合わせて、初回カウンセリングの日程を決めます。ご予約の際には、「氏名」「住所」「電話番号」「生年月日」「相談したいこと」などを教えていただきます。

カウンセリングの初回面接の前に同意書ファイルをダウンロードして読んでおいていただけると、面接時間の節約になります。さらに、問診票ファイルをダウンロードして記入し、持参するか、もしくはあらかじめメールを送信しておいてもらえると、面接時間の節約になります。

 

カウンセリング料金は当日いただきます。

また紹介状などがあれば初回面接時にご持参ください。 

*「同意書」、「問診票」のファイルはこちらになります。

​同意書

​問診票

初回面接

予約日当日は、時間ちょうどに当鍼灸院にお越しください。

最初に問診票の記入をしていただきます。

その後、カウンセリングの流れを説明いたします。納得の上で同意書にサインをしていただきます。

アセスメント面接を行います。「相談したいこと」「病歴」「生育歴」「家族関係」「カウンセリングに期待すること等を聞かせていただきます。

 

ご希望をお聞きした上で、カウンセラーがとりあえずの見立てと、できることを説明・

提案させていたきます。納得いただけた場合、次回の面接までに取り組んでいただきたいことを提案いたします。

継続面接

カウンセリングは、できれば1度だけでなく、問題の解決に向けてある程度の期間行うことが望ましいと考えます。初回面接で納得いただければ、継続面接に移ります。

初回カウンセリングやアセスメント面接で見出した見立てと対応策をもとに、困っていることに対して取り組んでいただき、その経過や結果のお話しを伺います。どれぐらいの期間がカウンセリングに必要になるのかは、それまでの経過や、問題の難しさによるので簡単には決められません。

また、当面の課題の解決を目指す場合と、自己成長を目指す場合とでは、面接の長さが異なります。短期療法で問題解決に取り組むのであれば1~4,5回で終わる場合もありますが、精神分析的カウンセリングで自己の成長やトラウマの解消に取り組む場合は半年~数年かけてカウンセリングを行う場合もあります。

終結とフォローアップ

問題が解決したり、症状が軽くなってきて、そろそろ終わりにしても良いと思う時期がきたら、カウンセラーに相談してください。

 

最終面接日を調整し、残りのカウンセリングをどのように使うのかを話し合います。カウンセリングが終了した後、残念ながら問題が再発したり、他に相談したいことがあれば、もちろん再度連絡を取ってくださってかまいません。

 

カウンセリングが終了した後、希望があればフォローアップ面接を用意します。

 

フォローアップ面接とは、数ヶ月に1回程度の頻度で終了後もカウンセリングを行い、再発しないかどうかをチェックしたり、その時その時のリスク要因を取り除いたりしていきます。再発を繰り返しやすい人はご利用ください。

*不登校でお悩みの保護者の方へ

 お子様が不登校になった場合、まずは、学校で人間関係のトラブルがあるのではないか、あるいは、勉強が嫌になったのではないか、とお考えになるのではないでしょうか。

 もちろんそういった場合もありますが、不登校の裏に起立性調節障害、過敏性腸症候群、過活動膀胱などの身体面での問題を抱え、学校に行きたくてもいけない生徒も多いのです。そういった生徒に対しては、鍼灸による自律神経の調整とカウンセリングを併用した心身両面からのアプローチが有効です。ご相談ください。

予約と流れ

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​※価格はすべて税込となります。​

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