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梅核気と性格(その二)-なりやすい性格とその変え方-



目次

 1.梅核気になりやすい性格

 2.性格は変えられるか

 3.簡単リフレーミング法

 4.おわりに



1.梅核気になりやすい性格

 

喉の違和感や喉のつかえを感じやすい人には、いくつかの傾向があります。一つは「くよくよと一つのことを思い悩みがちなタイプ」の人です。こういう性格タイプの人は、小さなことを気にかけ、些細な失敗を大げさにとらえたり、他人からの評価を常に気にして、それをいつまでも引きずりがちです。


もう一つは、「嫌な思いをしても、我慢してしまうタイプの人」です。こういう性格タイプの人は、心の優しい内向的な人で、他人を傷つけることを恐れてじっと我慢をして、むしろ自分を傷つけてしまいがちです。この二つタイプのは、比較的女性に多いタイプです。


もう一つは、上の二つのタイプとは対照的に、「我の強いこだわりタイプ」の人です。この性格タイプの人は、信念が強く、自分の主張が通らないと我慢ならない気性で、考え方に柔軟性がありません。このタイプは比較男性に多いです。


逆に、あまり物事にこだわらないのんきな性格の人、いい意味でアバウトな人は梅核気に悩まされることはありません。したがって、治療によって一時的に良くなっても、性格が変わらないと、何か不満や心配事があると何度も再発を繰り返す傾向があるのが梅核気です。



2.性格は変えられるのか


先ほど、梅核気には性格特性が関係するといいました。くよくよと思い悩む性格、どんなこともネガティブに考えてしまう性格、柔軟に物事が考えられない性格などの、梅核気に関係するような性格は変えられないのでしょうか?少し考えてみましょう。


性格には、先天的な部分と後天的な部分があることがわかっています。生まれたばかりの赤ちゃんでも、おとなしい子や気難しい子などがおり、すでにそれぞれ異なる性質を持っています。これは専門的には「気質」と呼ばれ、遺伝的要因が強い部分です。


しかし、性格とはこれだけで決まるものではありません。基底にある遺伝的な部分は変わりませんが、成長する中で、様々な成功や失敗の体験を重ね、何が正しくて何が間違っているのかを教育され、気持ちを揺さぶられる経験などを積み重ねる中で、少しずつ行動パターンや考え方が変化していきます。そして、もともとの気質と、経験から得たものとが複雑に影響し合いながら性格は決まってきます。

「すぐにくよくよと後悔する性格」も、「どんなこともネガティブに考えてしまう性格」も、遺伝的な要素はあるものの、そう考えざるを得ない状況の積み重ねの上に出来上がって来たものだということがそこからわかります。


経験からどんな影響を受けるかは、自分では選ぶことができないと考えられがちですが、実はそんなことはありません。例えば、ここに水が半分入ったコップがあるとして、それを見て「もう半分しかない」と悲観的に考える人もいれば、「まだ半分もある」と楽観的に考える人もいます。

このように、体験した出来事に意味を与えることを「枠づけ(フレーミング)」といいます。フレーミングすることで、「半分水が入っているコップ」という同じ現実に対して、個々の人は違う意味付けをし、それを体験しているということになります。

 

「どんなことでネガティブに考えてしまう性格」の人は、じつは「世界はネガティブにできている」とフレーミングして生活している人です。そんな見方をして生きていれば、毎日がつらくなるのは当たり前ですし、おのずと性格もそれに見合ったものになってくるのも当然です。


では、それを変えることはできないのでしょうか。そう問われれば、それは可能だと答えます。なぜなら、フレーミングはある種の考え方の「癖」だからです。

ネガティブなものの見方をする人は、ある出来事を反射的にネガティブに解釈する「くせ」を持っています。しかし、どんな「くせ」も、時間さえかければ修正することができます。まして、物事をどう捉えるか、どう認知するかは自分で選択することができるのです。

ネガティブになったとき、「あぁ、また悪い癖がはじまった」と気付いて、「ポジティブになろう」と意識すれば、少し時間はかかりますが新しいものの見方の癖、認知の枠組みを手に入れることができます。これを「再枠づけ(リフレーミング)」といいます。


自分は臆病で優柔不断だという人でも、「水はまだ半分もある」ととらえることで積極的な行動に出ることができます。そして、「フレーム」を変えて積極的な行動を繰り返し経験することで、やがてそれが身についたとき、新たな「性格」がそこに生まれてくるのです。つまり性格が変わったのです。こうなれば、おのずと梅核気にもなりにくくなります。



3.簡単リフレーミング法


しかしそうはいっても、性格はなかなか変えられないと思っている人は多いと思います。たしかに、昨日の自分と今日の自分とが違っては、本人以上にまわりも困るので、人格は一貫性を保つよう元々できています。しかし、先ほど述べたように自覚的に認知の枠組みを変え、それに基づいて行動していれば性格は確実に変わります。


例えば昨日、10の体験をしたとします。マイナスの体験が5、プラスの体験が5だったとして、あなたはどちらの体験をたくさん記憶しているでしょうか。これには研究で答えが出ていて、ポジティブな志向の人はプラスの体験をたくさん記憶し、ネガティブな志向の人はマイナスの体験を記憶しやすいことが分かっています。


同じ1日なのに、プラスの記憶をたくさんしている人は「ああ、昨日はいい日だったな」と記憶し、マイナスの記憶をたくさんしている人は「昨日は、本当にいやな1日だったな」と記憶する。それが毎日続くのです。ポジティブな人はますますポジティブに、ネガティブな人はますますネガティブになっていくのは当然でしょう。

人生には良いことも悪いことも起きているのに、プラスの体験を記憶し続ける人はますますポジティブに幸せになっていくのに、マイナスの体験ばかり記憶し続ける人はネガティブに不幸になっていくとしたら、こんな不公平なことありません。


しかし、よく考えるとこれは因果関係が反対なのではないか、とも思えてきます。つまり、ポジティブな人がプラスの体験を集めやすく、ネガティブな人がマイナスの体験を集めやすいのではなく、プラスの体験を集めやすい人の性格がポジティブになり、マイナスの体験を集めやすい人の性格がネガティブになっていくということです。

 たぶん、どちらの体験を集めやすいかは、幼少期の親をはじめとするかかわりのある人の接し方が大きく影響しているのですが、「自分はマイナスの体験を集めやすいのかもしれない」と気付いて意識すれば、プラスの体験を集めていくことは大人になってからでも十分できます。やり方も難しくありません。


やるのは、日々遭遇する出来事を、どんどん言語化だけです。その際、プラスの体験はより大きく、マイナスの体験はできるだけマイナスを小さく、できればプラスに評価して言語化することがコツです。「朝、気持ちよく起きられた」、「通勤の電車で座席に座れた」、「今日のランチはおいしかった」、「おもしろいテレビが見られた」、「交通渋滞にはまったけど、時間には間に合った」等、小さなことでかまいません。できるだけよかったことが分かるように、そしてなるべく大げさに言語化し下さい。


最初は、プラスの体験を大きくプラスに評価するのは簡単でも、マイナス体験をプラスに評価するのは難しいかもしれません。でもしばらく続けていれば、それもできるようになります。例えば、お金を落としてしまったとします。もちろんそんなときは、「わぁ、やっちゃった」と一瞬思いますが、すぐに気持ちを切り替えて、「それほどお金を入れていなくてよかった」、「スイカは別だから、通勤もコンビニも大丈夫」とか、それをプラスか、もしくは最小のマイナスに評価してください。

また、「おいしかったなぁ」、「きれいだったなぁ」、「気持ちよかったなぁ」等、その時の気持ちも含めて、合わせて言語化するとより臨場感が増します。出来れば、その中のいくつかを日記や手帳に記録しておき、時々それを読み返してみるとさらに効果的です。


こんなことで性格が変わるのかと思う方もいらっしゃるかと思いますが、そう思う(ネガティブな)方にこそこれを実践していただきたいと思います。このやり方を「簡単リフレーミング法」と呼んでいますが、このやり方をしばらく続けると確実に自分の中に変化に気づくと思います。


それは、最初はポジティブな性格の「芽」のようなものかもしれません。それをさらに伸ばすためには、「ポジティブな人だったら、きっとこう行動するに違いない」と思う実際に行動をして、それをまた言語化してみてください。このループを繰り返すことで、比較的短時間に性格を変えることができます。梅核気に限らずですが、自分の性格に悩む人ぜひ一度試してみることをおすすめしたいと思います。

 


4.おわりに


今回の記事では、エヘん虫とも呼ばれる梅核気を取り上げてみました。一つは東洋医学からみた梅核気の説明とその治療法ですが、もうひとつは、性格特性に注目して梅核気になりやすい性格とその性格の変え方という観点から書いてみました。


性格はなかなか変えられないと思っている人は多いと思います。たしかに、昨日の自分と今日の自分とが違っては、本人以上にまわりも困るので、人格は一貫性を保つよう元々できています。しかし、先ほど述べたように自覚的に認知の枠組みを変え、それに基づいて行動していれば性格は確実に変わります。


梅核気は不快なものですが、医者から「気のせいではないですか」と言われてしまうことが多い症状です。しかし、そんなふうに言われると、本人の納得がいかないばかりでなく、かえって「普通の医者にはわからい何か大きな病気が隠れているのではないか」と不安になるものです。この記事が、そんな不快な症状をとるための少しでも手助けになれば幸いです。


ご一読ありがとうございました。





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