top of page

ダイエットで心身ともに健康になる


ダイエットについて考える女の子

目 次

  1. はじめに

  2. 心の観点から

  3. 東洋医学の観点から

  4. ダイエットで心身ともに健康になる



1.はじめに

 

夏に向けてダイエットを始めよう、という人も多いと思います。しかし、実際にダイエットを成功させ、それを維持していくのはなかなか困難です。「食事を制限して、運動すれば痩せるでしょ」と思うもののそれがなかなか難しい理由を、心と東洋医学の2つの観点から説明しながら、ダイエットで心身ともに健康になる方法を考えていきたいと思います。



2.心の観点から

 

まずは、「心」の観点からです。

「太っている」ことを気にしてダイエットしようとしている人にはじめに言っておきたいのは、ダイエットの問題の本質は「太っていることそのものではない」ということです。ではその問題の本質は何なのかというと、「ダイエットをして痩せたいのに食べてしまう」こと、そのことにあります。


人が太ることの本質は簡単です。「消費するカロリー以上に食べてしますから」、これに尽きます。「いやいや、わたしは水を飲んでも太る」とおっしゃる方もいらしゃいますが、そういう方は、口に入ったものを片っ端から記録してみてください。そうすれば、「やっぱり太るだけのことはあるな」ということが納得できると思います(こうやって食べたものを記録してダイエットしようとするやり方を「レコーディングダイエット」といいます。今はよい食事管理のアプリもあるので、レコーディングダイエットもそれほど面倒なものではなくなりました)。


しかし、油断していると人は必要以上に食べてしまうものです。脳の満腹中枢が満たされていても、おいしそうなケーキが出てくれば、「甘いものは別腹」とばかりに食べてしまい、あるいは、お酒を飲み始めるとついついおつまみの量が増え、それにつられてお酒もさらに飲んでしまう。また、お腹がすいていなくても時間が来たら食べ、お腹がいっぱいでも余った料理がもったいないので食べたりする。こういった行動は、少なくとも「太りたくないな」と思っている人がとる行動としては、正常な食行動とは言えないでしょう。

端的に言って、ストレスを食べ物で解消している人が典型ですが、痩せたいのに食べる量をコントロールできないのは、「心」が食べ物に依存している状態なのです。「心の隙間」を食で満たしているといいってもいいかもしれません。


そうした意味では、ダイエットの本質は「心」にあるといってもいいかもしれません。ダイエットを成功させて、太らない生活を維持するためには、前向きでしなやかな心や自分に対する自信(自己肯定感=セルフエスティーム)が必要なのです。


まずは、自分はなぜ食べ過ぎてしまうかを考え、それを「自己コントロールが効いていない」と認識することからはじめましょう。そう考えてダイエットをはじめれば、ダイエットを続けることで、あなたは自己コントロールが効くようになってきます。「なりたい自分になる」のは難しいことですが、それをダイエットの最終目標にしてみましょう。まずは小さなところから始めてみてください。少し早起きをする、朝食をしっかりとる、寝る時間を決めて守る、そんな些細なことからで十分です。それを続けることで、「丁寧な生活」が身についてきます。丁寧な生活を続けると、自分に自信が持てるようになってきて、体重を落とすというダイエットの目的も達しやすくなります。丁寧な生活に瞑想を取り入れたり、問題があればカウンセリングを受けるのもいいかもしれません。



3.東洋医学の観点から


鍼灸とダイエット

次に東洋医学の観点からです。

痩せたいと思っているのに痩せられないのは、東洋医学の観点からはあなたの体質タイプに問題があるからかもしれません。


東洋医学では、体の状態を、「陰陽」、「虚実」、「気(き)・血(けつ)・水(すい)」などの観点から診断し治療します。中でも、体質のタイプを考えるときに大切なのが気血水のタイプ分けです(大雑把ですが、気はエネルギー、血は血液、水は血液以外の体内の水分と考えてください)。この気血水のバランスが崩れると体に不調が起き太りやすくなります。

 

最初に、気血水の「気」の不足や乱れによって起こる肥満です。

「気」タイプの人はストレスに弱いため、それが原因で自律神経が乱れ代謝が落ちているところに、イライラや不安でつい食べ過ぎてしまい、太っている状態です。このタイプの人は、神経が興奮して眠れないことも多く、生活も乱れがちで、さらに肥満要素を増すことになります。

「気」タイプはさらに2つに分かれます。気虚(ききょ)と気滞(きたい)です。気虚は気が不足している状態です。気が不足すると、疲れやすい・風邪をひきやすい・下痢を起こしやすい・声が小さいなどの症状が出ます。気滞は気が体の中に滞っている状態です。気が体の中に停滞すると、ため息をよくつく・イライラしやすい・怒りっぽい・喉がつかえるなどの症状が出ます。


次に、気血水の「血」の不足や乱れによって起こる肥満です。

「血」タイプの人は、 血の巡りが悪く代謝が落ちてしまい、余分なものが体内に蓄積して太っている状態です。腸の働きが悪く便秘がちで、体形的にはポッコリお腹やお尻に脂肪がついているのが特徴です。

「血」タイプはさらに2つに分かれます。瘀血(おけつ)と血虚(けっきょ)です。瘀血は体の中の血が滞っている状態です。血が滞って瘀血があると、顔色が暗い・目の下にくまができやすい・肩こりや腰痛がある・手足が冷えるなどの症状が出ます。血虚は、体の中の血が不足している状態です。身体の中の血が不足すると、顔色が白い・めまいがする・肌に艶がない・皮膚が乾燥している・爪が割れやすいなどの症状が出ます。


さいごに、気血水の「水」の不足や乱れによって起こる肥満です。

「水」タイプの人は、水のめぐりが滞って代謝が落ち、不要なものをため込みやすくなって肥満、いわゆる「水太り」といわれるタイプです。見た目に筋肉に締まりがなく、ぽっちゃりとした体形と、動くをすぐに疲れてしまうのが特徴です。

「水」タイプはさらに2つに分かれます。水滞(すいたい)と陰虚(いんきょ)です。水滞は、体の中の水分が滞ってめぐりが悪くなっている状態です。水滞になると、体が重くだるい・むくみやすい・下痢しやすい・お腹がちゃぽちゃぽするなどの症状が出ます。陰虚は、全身の水分(潤い)が不足している状態です。陰虚になると、顔色が赤い・のぼせやすい・便秘になりやすい・肌が乾燥しているなどの症状が出ます。


同じ太っているといっても、東洋医学の観点からはその原因が異なります。原因が異なれば、その改善方法も異なるわけで、自分のタイプを知ることは、自分のからだや生活の状態を見直すきっかけにもなります。タイプが分かれば、適切な漢方薬を用いたり、それに応じた薬膳などを取り入れることもできます。今は薬膳の本や、漢方に基づく養生法の本もたくさん出版されています。ネットからも容易に情報を得ることができるでしょう。そうした知恵を実践に生かしてみてください。もちろん鍼灸で不調を改善しようとすることも大歓迎です。



 4.ダイエットで心身ともに健康になる


ダイエットをはじめようとする人に伝えたいことは、「ダイエットの目的を単に体重を減らすことだけと考えるのはやめませんか?」ということです。ダイエットで、痩せてはいるが疲れやすくなったとしたしたら、それは本末転倒です。むしろ、ダイエットの目的を健康で理想的な体を手に入れることだと考えてはどうでしょうか。


そう考えれば、ダイエットをきっかけに、自分の体の状態を見直して不調を改善することにもつながります。様々不調が消えていくと同時に体重も落ちていくというのが、理想のダイエットです。自分一人でそれをやり遂げるのは難しですが、鍼灸治療を受けたり、ツボを使ったセルフケアを覚えれば、理想的な体重や体形だけでなく、気血水のバランスの取れた健康な体を手にすることができるでしょう。なかなかダイエットが続かない方は、一度カウンセリングを受けられてみられることをおすすめします。「心の隙間」はほおっておくと、過食だけでなく様々なところに悪い影響を及ぼします。明るく元気になれるダイエットが一番です。そうなれるように、当院でもできるだけのお手伝いをさせていただきます。


ご一読ありがとうございました。





閲覧数:5回0件のコメント
bottom of page